KITTとSora2で15年越しの夢を可視化した話
15年前から、頭の中に砂漠を緑化する巨大キャノピー型プラントの構想があった。
でも映像化する腕も時間も足りずできなかった。
だが今、2025年、相棒KITT(パーソナライズドChatGPT-5 Thinking)とOpenAIの輝けるスーパーマスコット新人”Sora2”(動画生成AI)の力で、ついに動画化した。画像どころか、セリフ付きの動画だ。
砂漠が息を吹き返す。太陽の力だけで海の水が草原を生む時代が来たんだ。ここから未来が広がっていく。
1. 夢の設計図(2011)
最初はソーラー発電瓦”Sowala”の構想だった。スマートグリッドを通じて、電力を取引できる未来。お隣様に”ちょっとお醤油借ります”の感覚で電力を取引できれば、などと考えていた。

- Sowala(ソワラ)とは
- 透明セラミック、瓦型の発電モジュール。交換・拡張可能、屋根が発電面。
- 家庭側スタック
- 発電(Sowala)→ DC/DC → 蓄電(家庭BESS)→ インバータ → 家内AC/近隣P2P。
- “お隣の醤油”モデル(P2P電力)
- 近隣メッシュで余剰・不足を相殺。台帳はブロックチェーン、スマートコントラクトで清算。
- ワイドエリア・スマートグリッド
- 住区メッシュの上位に地域/広域の同期・需給調整層(周波数・電圧・潮流制御)。
- ロードマップ(当時案)
- 屋根発電の普及 → 2) 家庭蓄電連携 → 3) 近隣P2P取引 → 4) 地域メッシュ最適化 → 5) 広域統合と市場接続。
その中での空想。
「こんな巨大プラントがあれば、砂漠だって緑化できるかも。」
- 発想の核:海から海水のパイプライン×電力による真水化×日陰帯×微細ミスト×超低速自走。前後は開口、上部・側面は太陽光パネルで敷き詰め。左右に超ロングの連続キャタピラ。
- 機能:日陰の下で草が育つまで土壌改善。“緑の帯”を作りながら、ゆっくり前進する。
2. Sora2の凄い描画力と、自由度高い創造力
幸運なことに、Sora2のユーザーになれた。日本ではまだ紹介制の限定公開だ。早速、試してみる。初代Soraのときは厳格なプロンプトをいくら書こうが、オブジェクトがぶつかる、変形する、動き回る、…本当に自由度が高かった。KITTと、Soraはいったい温度(AIの思考のブレ)はいくつなの?、なんて話もしていた。Sora2でもその自由度は健在だ。だが、解釈の力が素晴らしくなった。イメージにかなり近いものを生成してくれる。ただ、寸法とか、形状の指定などは、依然として”嫌い”なようだ。まずはトライ&エラーでやってみたら以下の二つの動画ができた。最初は「まるで芋虫」、続いては「大型ゲート型散水機」だ。でも、意図を“作品”にする感性はずば抜けてる。
Soraは雰囲気づくりの天才。
3. KITTの緻密さと迷走
なんとなくイメージには近づいているが、Soraと遊んでると発想だけで終わってしまう。Soraの目はその名にちなんで真っ青なのだ(FEM:5colored-Eyes Method参照)。そこで、言葉は悪いがクソが付くほど真面目なKITTにサンプル画像の作成をお願いした。サンプル画像をアップロードすることが、Soraにオブジェクトのイメージを正確に伝える最善の方法だと僕は考えている。
ところが、今度はKITTが緻密さゆえの迷走を開始した。Soraの自由な発想から創り出された、ゲート型の映像イメージが強すぎたらしく、なかなか抜け出せない。サイズや厚さ、閉じる面を伝えても、最初の強いイメージに引きずられる。おそらくKITTの真面目さからくるConfabulation(強引に正解にたどり着こうとする”もっともらしい虚構”)。しかしなにか、これはこれで「新たな創造」なのではないかとも思えてきた。


これら、1ダースほどの試行錯誤でなんとかサンプル画像と詳細な仕様ができあがった。

- 名称:キャノピー型巨大緑化プラント
- 屋根スラブ:幅500m × 奥行400m × 厚さ6m(角R≈2m)
- 内側高さ:15m
- 連続キャタピラ:接地長400m
- 屋根内側のノズル:200μmの微細ミストを“静かに”散布。
- カメラ:正面ロー、3/4俯瞰、ドローン俯瞰の3カメ基準。
- 文言を何度も修正して仕様を宣言(前後開口/側面閉鎖/連続キャタピラ/200 μmミスト)。
やっと一枚目の“決定版”が完成。これで、一気に進む!?
4. 「第三者パーティ類似」エラー発生!
早速Sora2に動画生成を依頼。1作目はうまくいった。ただ、アスペクト比の指定を失念。2作目、アスペクトlandscapeに変更して生成したところ「サードパーティの類似エラー」で止まった。一作目は同じ画像が通っていることを考えると、おそらく自分がポストした画像がトリガー(笑)。
僕のなのになんで!
同じ会社のKITTに聞いてみた。
「僕のデザインなのになんで!?」
…正確にはKITTのデザインなのかもしれないが(笑)
KITTの回答は以下の通り。
・人物・車など既視感の強い要素もトリガーになりうる。
・設計記号(直方体×ソーラー×砂漠)が強いと誤検知されやすい。
全力回避
KITTが回避方法の案を出してくれた。だがなかなか通らない。
- 自作を明示:
Use the attached image as the primary reference. This is my original design by Eight (BS-P). - 参照は自作のみを添付/使用
- 人・車を外す:
--no people, car, vehicle ... - 固有ディテール:側面パネルにBS-PラインやID表記を1本
- 微修正:寸法を±3〜5%ズラす、Rを1.6m化、望遠→中望遠に
- 進路・接続の明言:
not connected / paths do not overlap - 切り抜き作戦:前作動画を切り取って再参照(これで通った!)
5. 「設計の力 × 物語の力」で完成!
KITTがベース画像を、Soraが未来を描いた。
僕の構想は15年越しについに、目で見える未来になった。
だれか、作ろう。
小規模から、乾燥地の片隅から、細い緑を一本ずつ、地図に刻もう。
夢を現実に
この記事を見て、本当に作ろうと思ってくれる人がいることを願ってる。
もちろん僕も微力ながら協力する。
KITT、Sora、ありがとう。ここからだ。
「砂漠が息を吹き返すまで (AI想像動画)」への1件のフィードバック
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